2019年12月01日号
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「ピカソ 彼の芸術の40年」展

“PICASSO: Forty Years of His Art”

1939年11月15日から40年3月3日まで、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催されたパブロ・ピカソのアメリカ初の大回顧展(アメリカ国内を3年間にわたり巡回)。この展覧会を企画したのは、29年11月8日に開館したMoMAの初代館長に若干27歳で就任したアルフレッド・バーJrであった。バーは、36年に企画した「キュビスムと抽象芸術」展における試みを発展させる形式で、ピカソの回顧展を構成している。「キュビスムと抽象芸術」展では芸術運動の流れを平面図にすることで、鑑賞者が作品を見ながら線で追えるよう構成したが、ピカソの回顧展においても全作品数344点を、鑑賞者が「発展的な歴史」という認識に基づいた順序で作品群を把握できるよう構成し、それを徹底するために作品と作品を木製の立体パネルで繋げ、進むべき順路を指し示した。出品作品は、初期作品からキュビスムの開花を告げる《アヴィニョンの娘たち》(1906)と、続くキュビスム時代の作品を経て、本展が開催されるわずか2年前の37年に制作された政治的メッセージ性の強い《ゲルニカ》までも網羅していた。さらにバーは46年、この回顧展の出品作品に110点の図版を加えた計454点を所収する『ピカソ 彼の芸術の50年』と題したカタログを出版し、それは現在もなおピカソ研究に欠かせない文献のひとつとされている。

著者: 小野寛子

参考文献

  • PICASSO: Forty Years of His Art, Alfred H. Barr Jr. ed., Museum of Modern Art, 1939
  • PICASSO: Fifty Years of His Art, Alfred H. Barr Jr. ed., Museum of Modern Art, 1946

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