2019年06月15日号
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「ユビュウェブ」

“UbuWeb”

1996年に開設されたテキスト、音声、映像作品を中心とする現代芸術のオンライン・データベース。ごく少数しか販売されず絶版になった書籍、レコード、ヴィデオをデジタル化し、無許可で掲載するという方法をとり、いわゆる前衛的な、またはアンダーグラウンドな作品の世界最大のデータベースに成長した。96年にアメリカの詩人、ケネス・ゴールドスミスが「発行人」となり、彼が所有する視覚詩、具体詩の絶版作品を掲載するサイトとして開始される。98年頃には音声詩の音源が追加され、そして音楽、映像作品も掲載されていった。運営方針として開設当初から一貫して、無許可の掲載、非営利、ボランティアと協力団体(WFMU、PennSound、Artmobほか)の援助のみによる運営を貫いている。本サイトによってそれまで極端に困難だった現代詩、現代音楽の音源、インディペンデントな映像作品へのアクセスが格段に容易になったことは事実だが、無許可掲載をめぐって作家からの批判も相次いでいる。世界有数の現代芸術データベースに成長した2005年、ブルース・コナーによる訴えをきっかけにサイトは半年間休止を余儀なくされ、再開後も多くの映像作家からの掲載停止要求にさらされた。そこでゴールドスミスはいったん映像セクションを閉鎖し、訴えのなかった作家の作品だけを再掲載していった。作家からの批判の対象は、ゴールドスミス個人の名声から生じる収益や、低画質の再生環境など多岐にわたっている。それに対して、ゴールドスミスは現行の流通システムの不備と「贈与経済」の精神を強調し、閲覧者には作品の個人保存を推奨している。本サイトの運営方法は詩人としての彼のアプロプリエーション(流用)手法に基づいているという指摘もある。

著者: 金子智太郎

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