2019年12月01日号
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「ロバの尻尾」

“Ослиный хвост”(露), “Donkey's Tail”(英)

1912年の3月から4月にかけてミハイル・ラリオーノフによって主催されたネオ・プリミティヴィズム絵画の展覧会。10年代のロシアでは、単純で明快な色彩や描写などの特徴を持つ民衆文化の影響を受けて、ネオ・プリミティヴィズムと呼ばれる絵画の流派が興隆した。「ロバの尻尾」展はロシア・アヴァンギャルド初期における大規模な展覧会のひとつであり、ナターリヤ・ゴンチャローワ、カジミール・マレーヴィチ、ウラジーミル・タトリン、マルク・シャガールら合計19名の画家が計307点の絵画を出展した。この展覧会において中心的役割を担ったラリオーノフとゴンチャローワは、セザンニスム(セザンヌ主義)やキュビスムといったフランスの絵画の追随をやめ、イコンやルボーク(ロシアの民衆画)などロシアの民衆芸術の素朴な様式を評価し、新しい絵画の手本をロシア国内の伝統的なフォークロアに見出そうとする態度を示した。なお、ロシア・アヴァンギャルドの画家たちに大きな影響を与えた、グルジアの画家ニコ・ピロスマニによる看板絵もこのときに展示された。

著者: 河村彩

参考文献

  • 『ロシア・アヴァンギャルド小百科』, タチヤナ・ヴィクトロヴナ・コトヴィチ(桑野隆監訳), 水声社, 2008
  • 『ロシア・アヴァンギャルド』, 亀山郁夫, 岩波新書, 1996
  • 『夢見る権利 ロシア・アヴァンギャルド再考』, 桑野隆, 東京大学出版会, 1996
  • 『ロシア・アヴァンギャルド 未完の芸術革命』, 水野忠夫, PARCO出版, 1985
  • 『ロシア・アヴァンギャルド芸術 理論と批評 1902-34年』, J・E・ボウルト編(川端香男里訳), 岩波書店, 1988

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