2019年10月15日号
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「幻想芸術・ダダ・シュルレアリスム」展

“Fantastic Art, Dada, Surréalism”

1929年晩秋に開館したニューヨーク近代美術館(MoMA)の初代館長アルフレッド・バーJrによって企画され、36年冬に開催されたダダ/シュルレアリスムを紹介する展覧会のこと。30年代に入り、ヨーロッパで次々にシュルレアリスムを紹介する国際展が開催されるという流れのなかで、シュルレアリスムをアメリカに紹介、広めるきっかけとなった最初の国際展である。同年に開催された「キュビスムと抽象芸術」展において「美術史チャート」を提示し、鑑賞者が芸術運動の流れを追いやすいように展示を構成したバーは、本展ではマルセル・デュシャンやマン・レイなどの作品を取り上げ、ダダ/シュルレアリスムという同時代の芸術運動のひとつとして紹介している。さらにバーは、ダダ/シュルレアリスムの先駆と考えられる作品を15世紀まで遡って展覧し、それらを、展覧会タイトルにも掲げられているように、「幻想芸術」と位置づけた。これは、20世紀初頭に「シュルレアリスムの根」、そのルーツとしてヒエロニスム・ボッシュがクローズアップされたことに関係するだろう。さらに、子どもや精神障害者による絵、大衆芸術なども展示し、広い視野で構成された革新的な展覧会となった。だがその一方で、アンドレ・ブルトンなどによってそうした展示が非難されたことも忘れてはならない。

著者: 小野寛子

参考文献

  • Fantastic Art, Dada, Surrealism, Alfred H. Barr Jr. ed., Museum of Modern Art, 1936-37

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