2019年12月01日号
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「現代の造形〈映像表現〉」展

“Gendai no Zokei”

京都において1968年に「現代の造形」展として開始され、作家が主体となって毎年開催していた一連の企画展。関西在住の美術家らは、関東圏を中心とする実験映画やヴィデオ・アートとは半ば切り離された状況のなかで、映像メディアを現代美術のコンテクストにおいて使用する先駆的な試みを行なっていた(ただし後に関東の作家も参加するようになる)。写真(スライドの投影による)/フィルム/ヴィデオといった、あらゆる映像メディアをその対象とし、参加作家には、河口龍夫、松本正司、植松奎二、村岡三郎、今井祝雄、山本圭吾、山中信夫、彦坂尚嘉、庄司達、米津茂英、柏原えつとむ、野村仁、植村義夫などがいた。この映像メディアへの関心は、「第2回・現代の造形〈野外造形'69〉」(1969)に端を発しており、コンセプトを引き継ぎながら「第3回・現代の造形〈フィルム造形'70〉」(1970)、「第4回・現代の造形〈映像表現'71〉」(1971)、「現代の造形〈映像表現'72〉―もの・場・時間・空間―Equivalent Cinema」(1972)と、規模を拡大しながら継続して映像を追求するようになった。特に72年は、一連の展覧会のなかでも最も大規模なものとなる。そこでは同時代の実験映画やヴィデオ・アートのコンテクストとは若干異なるかたちで、空間と時間の関係性を問題として提示する概念的な作品が多数出品された。それは制作行為や認識のプロセスを、映像メディアを媒介して把握し直すものであり、概念芸術や、もの派以降の国内の美術状況を反映したものであったといえる。これに参加した作家のコラボレーションから生まれたヴィデオ作品としては、河口、植松、村岡による『映像の映像 見ること』(1973)がある。この作品はNHK神戸の番組「兵庫の時間」のなかで放送された。

著者: 阪本裕文

参考文献

  • 『美術手帖』1972年12月号, 特集=フィルムとビデオ, 美術出版社

参考資料

  • 『Vital Signals Early Japanese Video Art/ヴァイタル・シグナル 日本の初期ビデオアート』, V.A., Electronic Arts Intermix, DVD, 2010

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