2019年08月01日号
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「現実の芸術 アメリカ1948-1968」展

“The Art of the Real: USA 1948-1968”

1968年ニューヨーク近代美術館で開催された、E・C・グーセンのキュレーションによる現代美術展。この展覧会は、その後パリのグラン・パレ、チューリッヒのクンストハウス、ロンドンのテート・ギャラリーを巡回した。J・ポロック、M・ロスコ、B・ニューマンらの抽象表現主義、E・ケリー、K・ノーランド、M・ルイスなどの画家たち、J・マクラッケン、C・アンドレ、R・モリス、F・ステラ、D・ジャッドなどのミニマリズムの作家たちが参加し、68年当時までの20年にわたる戦後アメリカ美術が集結した。開催の背景には、最新の動向であったミニマリズムの芸術を抽象表現主義以降のアメリカ美術の後継に位置づけ、ヨーロッパへ紹介を行なうことが主眼にあったと考えられる。その際グーセンが採用したのが「現実の芸術」というテーマであり、彼は「隠喩」「象徴主義」「形而上学」とは無関係なものとして、アメリカ美術の独自性を位置づけようとした。作品から表象や意味を排除し、また、彫刻や絵画などの表象のための制度的枠組みにも依らず、アメリカ美術のヨーロッパからの切断を企図したグーセンの目論みは、ジャッドの述べる「明確な物体」などの概念とも呼応している。

著者: 沢山遼

参考文献

  • The Art of the Real: USA 1948-1968, , E. C. Goossen, Museum of Modern Art, 1968

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