2019年08月01日号
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「第三インターナショナル記念塔」ウラジーミル・タトリン

“Памятник III Интернационала”(露), Владимир Евграфович Татлин

1919年ソヴィエトの芸術家ウラジーミル・タトリンによって構想された、モニュメントでもある鉄製の塔。鉄とガラスを素材とし、高さは400メートルにもなることが予定されていた。塔の形態は14年タトリンがさまざまなフォルムの素材を組み合わせて作成した《コーナー・カウンター・レリーフ》に基づいている。塔の外側は斜めの柱と二つの螺旋構造物から成り、格子状の支柱で支えられていた。内部には立方体、ピラミッド、円柱、半球の形をした四つのフォルムが設置された。立方体は1年に1回転、ピラミッドは月に1回転、円柱は1日に1回転、半球は1時間に1回転し、それぞれ会議室、インターナショナルの組織、出版局や電報局といった情報局として利用されるよう構想された。20年に模型と二つの図面、綱領的スローガンがペトログラード(現サンクトペテルブルク)のスヴォマス(自由国立芸術工房)で、その後連邦会館のホールで展示された。25年には高さ4メートルの模型が作成された。記念塔は模型のみで実現はされなかったが、鉄とガラスという新しい素材の利用、大胆な形態、高度な技術の要請、そして自然のメカニズムとの調和や革命の理念を志向しているという点で、ロシア・アヴァンギャルドの象徴的作品とされている。

著者: 河村彩

参考文献

  • 『ロシア・アヴァンギャルド』, 亀山郁夫, 岩波新書, 1996
  • 『夢見る権利 ロシア・アヴァンギャルド再考』, 桑野隆, 東京大学出版会, 1996

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