2019年09月15日号
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『パフォーマンス:未来派から現在まで』ローズリー・ゴールドバーグ

Performance: Live Art 1909 to the present, RoseLee Goldberg

未来派の活動を源泉として現在までのパフォーマンスの系譜を概観した、美術史家・批評家のローズリー・ゴールドバーグの1979年の著書。2度の改訂を経て、2001年版では最新の動向の記述が盛り込まれた。本書は、狭義の舞台美術であるダンスや演劇に限らず、ハプニング、イヴェントなどのすべての身体表現を「パフォーマンス」として総括するものであり、戦後アート・シーンの身体表現における芸術(美術)概念の拡張を受け、インターメディア的な現象を未来派やダダ、シュルレアリスムなどの前衛芸術に遡って検証したものといえる。20世紀初頭から30年代における芸術活動は、パフォーマンスから開始されたという主張がゴールドバーグに一貫する論旨であり、最新版の序文においても、パフォーマンスこそが既存の表現形態の区分を破壊し、新たな方向性を指し示す「前-前衛(avant avant garde)」的活動であったと述べられている。むろんこのような見解はやや極論であるというべきだが、文学や美術など、ジャンルの複合性を兼ね備えた前衛芸術運動が、パフォーマンスという無形の表現によって初めて実態のある活動へと媒介されたという視点は重要だろう。中原佑介による邦訳がある。

著者: 沢山遼

参考文献

  • 『パフォーマンス : 未来派から現在まで』, , ローズリー・ゴールドバーグ(中原佑介訳), リブロポート, 1982
  • Performance art: from futurism to the present, , RoseLee Goldberg, Thames & Hudson, 2001

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