2019年06月15日号
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『光画』

Koga

1932年5月に野島康三、中山岩太、木村伊兵衛らによって創刊された写真雑誌。第2号からは伊奈信男も同人に参加。出版資金の大半を野島が引き受け、東京の聚楽社から月刊で発行された(のちに光画社からの発行に変わる)。発行部数は500部ほどで、一般的な写真雑誌のように行き渡ったわけではないが、写真表現の近代化を象徴する存在として、戦後にその価値が再評価された。誌面では、東西のさまざまな写真家たちによるスナップショットやフォトグラム、フォトモンタージュなどを用いた新興写真の作品を多く紹介したほか、伊奈、柳宗悦、中井正一、原弘、長谷川如是閑らの論考や、モホイ=ナジ、フランツ・ロー、ベレニス・アボットなどによる論考の日本語訳も積極的に掲載。特に第1号に伊奈が寄稿した「写真に帰れ」は、芸術写真からの離脱と、写真家の社会的な役割を説いた論考として重要である。しかし、やがて当初の勢いにも衰えが見え始め、33年12月の第18号(第2巻第12号)をもって休刊。休刊となった背景には、経済的、作業的な負担の増加や、売上げの行き詰まりのほか、ドイツから帰国した名取洋之助が立ち上げた「日本工房」に木村伊兵衛が参加し、報道写真よりも芸術性の高さにこだわる野島との仲が疎遠になったという事情があるとされている。

著者: 冨山由紀子

参考文献

  • 『写真に帰れ 「光画」の時代』, 飯沢耕太郎, 平凡社, 1988
  • 『光画』(復刻版), 「光画」刊行会, 1990
  • 『光画傑作集』, 飯沢耕太郎、金子隆一監修, 国書刊行会, 2005

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