2019年08月01日号
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『写真小史』ヴァルター・ベンヤミン

Kleine Geschichte der Photographie(独), Walter Benjamin

1931年に発表された、ヴァルター・ベンヤミンによる論考。本論は文字通り写真についての「小史」をなしており、カメラ・オブスクーラの技術がニエプスやダゲールらの発明や開発によって、像が定着されるところから記述が開始される。とはいえ、この論考は、写真史以外の文脈においても重要な問題が提起されている。その代表的なものは、「視覚的無意識」という概念である。そこでは、人間の目ではなく、カメラという機械によって捉えられたイメージには、人間の知覚が抑圧する「無意識」が写りこむと主張される。後に書かれることになる「複製技術時代の芸術作品」で展開される「アウラ」という概念も、本論に登場する。そのような写真メディアの特性に対応した写真家として、ウジェーヌ・アジェ、アウグスト・ザンダー、ジュルメール・クルル、カール・ブロスフェルトらが取り上げられることになる。

著者: 土屋誠一

参考文献

  • 『図説 写真小史』, ヴァルター・ベンヤミン(久保哲司編訳), ちくま学芸文庫, 1998
  • 『痕跡の光学 ヴァルター・ベンヤミンの「視覚的無意識」について』, 前川修, 晃洋書房, 2004

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