2019年06月15日号
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『写真論』スーザン・ソンタグ

On Photography, Susan Sontag

1973年から『ニューヨーク・レヴュー・オブ・ブックス』誌に掲載された写真に関する論考を集成した、スーザン・ソンタグの論集。原著は77年に刊行され、写真論においてはいまや古典的な書籍となっている。写真という知覚を拡張するメディアの氾濫によって、世界があまねく複写されたかに見える時代に対峙する際、ソンタグが一貫して主張するのは、写真を通じて問われる「見ることの倫理」である。その意味で、この書物は写真についての論考であると同時に、写真を通じて見る文化論であり、かつ、視覚の政治学であるともいえる。論のなかで特権的な対象として記述されている写真家は、ダイアン・アーバスであるが、アーバスによる奇妙な人々を捉えた写真は、可視的な世界を平滑に把握するという視覚メディアがもたらす思い込みに対する、ある種の抵抗として取り上げられることになる。

著者: 土屋誠一

参考文献

  • 『写真論』, スーザン・ソンタグ(近藤耕人訳), 晶文社, 1979

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