2019年06月15日号
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『写真論集成』多木浩二

Shashin-ron Shusei, Koji Taki

2003年に刊行された多木浩二による著作。社会史、文化史、建築論、美術論、写真論など、幅広い対象について論じた多木であるが、比較的ジャーナリスティックな写真評論が読めるのは、多木の単著としては本書以外に存在しない。本書の構成は第一部に「写真を考える」、第二部に「さまざまなる表象」、第三部に「メディアの興亡」、第四部に「モードの社会」となっており、特に第一部では、収録された各論考が書かれた70年代前半の時代状況を色濃く反映した視覚メディアとしての写真の原理論、第二部では現代の写真家も含む個別の作家・作品論が収められている。日本の写真家としては、東松照明と中平卓馬についての論が収録されている。写真界に大きな影響を与えた論客であったにもかかわらず、同時代的なアクチュアリティに基づいて書かれたテクストが書籍化されていない多木の書物としては、貴重な記録となっている。

著者: 土屋誠一

参考文献

  • 『写真論集成』, 多木浩二, 岩波現代文庫, 2003

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