2019年06月15日号
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『写真週報』

Shashin Shuuhou

「国民精神総動員実施要綱」のもと内閣情報部(のちに情報局に改組)によって1938年2月16日に創刊された週刊の国策のグラフ誌。創刊号の表紙は高千穂の峰をバックに「愛国行進曲」を歌う子供たちの姿で、撮影は木村伊兵衛が担当。国策宣伝誌『週報』の姉妹誌として「カメラを通じて国策を分かりやすく国民に伝える」という趣旨で発行された『写真週報』は、一部10銭という低価格と20頁前後の写真を多用した誌面によって、発行部数は30万部を超え、「東洋一」と称した。全国の駅の売店や書店、写真関係の店舗などで広く購入できただけでなく、隣組を通じて回覧することが奨励されていたことから、実際の購読者は200-300万人にものぼったと言われている。創刊号のあとがきには「写真報国」が謳われており、国民から宣伝写真を蒐集するために誌面で写真の応募が頻繁に行なわれた。また、情報部の外郭組織として「写真協会」も組織された。当初はA4判の冊子であったが、戦局悪化にともなう資源不足により、44年の4月には金属で綴じない体裁かつ壁紙新聞としても利用できるA3判に変更され、敗戦直前の45年7月11日の374・375合併号まで計370冊が発行された。

著者: 小原真史

参考文献

  • 『報道写真と対敵宣伝 15年戦争期の写真界』, 柴岡信一郎, 日本経済評論社, 2007
  • 『戦時日本の国民意識 国策グラフ誌「写真週報」とその時代』, 玉井清編, 慶応大学出版会, 2008
  • 『撃ちてし止まむ 太平洋戦争と広告の技術者たち』, 難波功士, 講談社, 1998

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