2019年10月01日号
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『動物化するポストモダン』東浩紀

Otaku: Japan’s Database Animals, Hiroki Azuma

作家・批評家の東浩紀(1971-)が2001年に刊行した著作。「データベース消費」や「動物化」といった概念を創出し、新書という体裁ながら後のオタク文化・サブカルチャー研究を切り拓く画期的な著作として広く受け入れられた。同書は大塚英志の『物語消費論』(1989)をはじめとする先行の国内言説の刷新を試みる一方、A・コジェーヴの「動物」「スノビズム」やS・ジジェクの「シニシズム」といった用語を援用しつつ、オタクという戦後日本に特有と思われた文化現象を広く世界史的に位置づけようとした二面的な戦略にその最大の特徴がある。現代美術ではひとり村上隆の作品が論じられるにとどまっているが、前述の「データベース消費」をはじめとする同書の作品受容や作品解釈の枠組みが、その後の制作や批評をめぐる動向に与えた影響は小さくない。2007年以降、同書は韓国語、仏語、英語などに翻訳されているほか、「動物化するポストモダン2」という副題を付された実質上の続編『ゲーム的リアリズムの誕生』(2007)も刊行されている。

著者: 星野太

参考文献

  • 『動物化するポストモダン オタクから見た日本社会』, 東浩紀, 講談社現代新書, 2001
  • 『ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2』, 東浩紀, 講談社現代新書, 2007

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