2019年09月01日号
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『團團珍聞』

Maru-Maru Chimbun

明治期の風刺画雑誌。1877年から1907年にかけて刊行された。もともと明治政府の官吏であった野村文夫が退官後藩閥政治に対抗するために創刊、翌1878年には姉妹紙『驥尾團子』も創刊された(1883年に終刊)。野村は、幕末の若き日には密出国のうえの英国留学経験もあり、イギリスの漫画雑誌『パンチ(Punch)』を参考に週刊漫画誌の創刊を思い立った。野村の教え子でもあった洋画家の本多錦吉郎は、同誌でペンを使った細密でグロテスクな戯画風似顔絵漫画を描き、江戸時代の漫画からの大きな革新を果たした。木版画家の小林清親は同誌に、木版による滑稽な作風の木版画シリーズ「清親ポンチ」と、フランス人漫画家ジョルジョ・ビゴーに指導を受けた石版刷り漫画を発表した。ほかに、洋画家の中村不折、日本画家の平福百穂、結城素明なども漫画を寄せていた。同誌の漫画や記事には自由民権運動の高まりを背景にした反政府的な内容もあり、幾度も停刊処分を受け、それがまた人気を呼ぶことにもなった。だが、表紙を除いてモノクロか2色刷の同誌は、やがて多色刷り大判漫画誌の『東京パック』(1905)などに人気を奪われていった。

著者: 足立元

参考文献

  • 『漫画雑誌博物館 明治時代編 団団珍聞1(自由民権期)』, , 清水勲監修, 国書刊行会, 1986
  • 『漫画雑誌博物館 明治時代編 団団珍聞2(日清日露戦争期)』, , 清水勲監修, 国書刊行会, 1986
  • 『「団団珍聞」「驥尾団子」がゆく』, , 木本至, 白水社, 1989

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