2019年06月15日号
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『有閑階級の理論 制度の進化に関する経済学的研究』ソースティン・ヴェブレン

The Theory of the Leisure Class: An Economic Study in the Evolution of Institutions, Thorstein B. Veblen

1899年に出版された、19世紀後半から20世紀初頭のアメリカの経済学者であり「制度派経済学の祖」とも呼ばれる、ソースティン・ヴェブレンの処女作。ヴェブレンは、本書において、人々を生産階級と非生産的職業に就く有閑階級に大別し、後者の行動原理を「顕示的閑暇」「顕示的消費」といった言葉を用いて批判している。この「顕示的消費」の最適な例として挙げられるのが、衣装および流行である。特に女性の衣装は、肉体的機能を制限することで、労働からの免除と、買い与える側の男性の支払い能力を示すものとされ、かつ消費行動を促す流行の対象となるものとして位置づけられている。ヴェブレンは、この消費行動を、本来ならば忌み嫌われる「無駄」を要求するものと捉え、それにより顕示的になる衣装の高価さを醜悪なものであると論じている。このヴェブレンの衣装や流行に対する見解には、1890年代の社会、経済とファッションの関わりが端的にまとめられており、後世のファッション論に重要な影響を与えたが、一方でファッションや流行、装飾を、不必要なものと見なす傾向を生み出すこととなった。

著者: 高城梨理世

参考文献

  • The Theory of the Leisure Class: An Economic Study in the Evolution of Institutions, Thorstein B. Veblen, Macmillan, 1899
  • 『有閑階級の理論』, ソースティン・ヴェブレン(高哲男訳), ちくま学芸文庫, 1998

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