2019年12月01日号
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『裸の街』ウィージー

Naked City, Weegee

ウィージー(本名:アーサー・フェリグ)がニューヨークを被写体として1945年に出版した写真集。30年代にウィージーが多くの写真を提供していた大衆向けのタブロイド判新聞はスポーツや犯罪、セックスをネタに売り上げを伸ばしており、なかでもスキャンダラスな写真のページを売りにしていた。現場に駆けつけ、写真を仕上げるその早さゆえに占い板(ouija board)にちなんでウィージーと名乗るようになる。これはウィージーが警察無線の傍受を許可されていたため、車に搭載した無線によって事件現場に直行できたことや、車内に暗室を装備していたことによるものであった。被写体となったのは主に夜のニューヨークで頻発する犯罪、殺人、火災、けんかといった事件や娯楽に興じる人々であり、『裸の街』に収録された写真の多くは、正面から被写体に接近しストロボを浴びせるというプリミティヴな方法で撮影されている。生活の糧を得るために撮り溜めた10年間の写真とウィージーの文章から構成された『裸の街』は2、3カ月のうちに3版を重ね、46年には『ウィージーの人々』が後に続いた。ウィージーの写真の裏には「ウィージー・ザ・フェイマス」という自己宣伝を兼ねたスタンプが押されていたが、43年に開催されたニューヨーク近代美術館での展覧会と『裸の街』のヒットによって実際にその名声が一気に高まった。

著者: 小原真史

参考文献

  • Weegee's New York: Photographs, 1935-1960, Weegee, Schirmer, 2006
  • 『ウィージー自伝 裸の街ニューヨーク』, ウィージー(日高敏訳), リブロポート, 1981

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