2019年10月15日号
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アクリル絵具

Acrylic Paint

展色剤にアクリル樹脂を用いた合成樹脂絵具(ポリマー絵具)の一種で、20世紀以降の美術において最も広く使用されている合成樹脂絵具である(シルクスクリーンなどではアルキド樹脂絵具やビニル系の絵具が使用されることがある)。溶剤で希釈する有機溶剤型と水溶性のエマルジョン型があり、前者は主に工業用ラッカー塗料に用いられ、描画用に使用されるのはほとんど後者。一般にアクリル絵の具といえば後者を指す。加える水の量を変えれば厚くも薄くも塗ることができ、水彩風にも油彩風にも描ける。乾燥が早く乾燥後に耐水性となる(重ね塗りできる)のが大きな特色で、発色の良さ、褪色や変色のなさ(歴史が浅い材料であるため経年変化については未知数の部分もある)、固着性の強さ、展色性(流動性)の良さや、柔軟で亀裂や剥落が少ないといった長所を持ち、その用途はバラエティに富む。風雨や光熱などに対する耐候性、耐久性に優れた絵具として1930年代のメキシコ壁画運動において使用されたのが先駆とされ、なにより水溶性という扱いやすさから50年代から60年代にかけてアマチュアを含めて急速に普及した。ハードエッジ、オプ・アートなどの平滑な色面の実現にはアクリル絵具の存在が一役買っており、またステイニングの技法では希釈したアクリル絵具が効果を発揮するなど、50年-60年代のアメリカの絵画とも深い関わりを持っている。初期にアクリル絵の具を活用した代表的な作家として、D・ホックニー、C・オルデンバーグ、M・ルイスらがいる。

著者: 成相肇

参考文献

  • 「モーリス・ルイス 秘密の色層」展カタログ, , 川村記念美術館, , 2008

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