2019年08月01日号
次回9月2日更新予定

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アニメーション・ドキュメンタリー

Animation Documentary(Animated Documentary)

デジタル時代に入って隆盛を見せる、アニメーション表現を用いたドキュメンタリー作品。映像自体の光学的な記録性に重きを置く一般的な実写のドキュメンタリーとは異なり、多くの場合、インタヴュー音声などのナレーションによって事実性・記録性を担保する。デジタル・ロトスコーピングやモーション・キャプチャといったデジタル技術の普及に伴い制作が活発化。インタヴュー音声を用いることから扱う内容は客観的な事実の把握というよりも、記憶等の主観的イメージや記録しえなかった事柄について再構築的に映像化し、共有する目的を持つことが多い。代表作に『ライアン』(クリス・ランドレス、2004)、『戦場でワルツを』(アリ・フォルマン、2008)など。スーダンの軍事政権下での奴隷としての経験を語る『Slavar』(デイヴィッド・アラノヴィッチとハンナ・ヘイルボーンの共同監督、2008)など、被インタヴュー者のプライヴァシーを守る目的で使われることもある。このジャンルの隆盛に伴って近年ではアニメーション・ドキュメンタリーの定義は広がり、初期アニメーションの『ルシタニア号の沈没』(ウィンザー・マッケイ、1918)のように史実を元にした作品や、ポール・フィエリンガーの諸作(1995年の自伝的長編アニメーション『ドロウン・フロム・メモリー』やアルコール中毒者のインタヴューなどを用いた「ドロウン・フロム・ライフ」シリーズ)など、ノンフィクションを題材としたアニメーションも含まれることもある。タツノコプロダクションが「アニメンタリー」と称して製作したテレビシリーズ『アニメンタリー決断』(九里一平、1971)は太平洋戦争を題材としており、日本における類似の試みとして考えることができる。

著者: 土居伸彰

参考文献

  • fps magazine, March 2005, “The Truth in Pictures”, Sheila Sofian
  • Animation: An Interdisciplinary Journal, volume.6 number3, Special Issue: Making it(Un)real: Contemporary Theories and Practices in Documentary Animation, 2011

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