2019年06月01日号
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アムステルダム派

Amsterdam School

M・デ・クラークやP・L・クラメルらが中心となり、1910年代から25年頃にかけて主にアムステルダムで活躍した建築家のグループである。生活と美術の統合を目指し、主に労働者階級のための集合住宅を手掛けた。オランダの伝統的な素材であるレンガによる表現を特徴とし、20世紀初頭のドイツに端を発する表現主義運動の流れのなかに位置づけられる。代表的な作品としては、デ・クラークによる《エイヘンハールト集合住宅》(1920)や《デ・ダヘラート集合住宅》(1922)が挙げられ、いずれも職人により美しく積み上げられたレンガによる伸びやかな曲面の表現が印象的である。また、H・T・ウェイドフェルトが編集長を務めた機関紙『ウェンディンゲン』(「変転」を意味する)において、公衆のための美術と建築家の関係性をテーマとした彼らの主張を展開したほか、各国の建築、絵画、彫刻、工芸、演劇などを紹介するなど幅広いテーマを取り扱った。その後、25年のデ・クラークの夭折やウェイドフェルトの編集長引退、経済恐慌による資金不足といった要因が重なり、25年頃を境にアムステルダム派の活動は終息していった。一方で、23年にオランダを訪問しアムステルダム派の作品を見学した堀口捨己が帰国後彼らの影響がうかがえる小住宅を手がけるなど、日本の建築界にも少なからず影響を及ぼしている。

著者: 岡村健太郎

参考文献

  • 『学術講演梗概集』, 「雑誌『ウェンディンゲン』に見るアムステルダム派の活動」, 堀川幹夫, 日本建築学会, 1990
  • 『建築20世紀PART1』, 「アムステルダム派」, 堀川幹夫, 新建築社, 1991
  • The Amsterdam School, Maristella Casciato, 010 Uitgeverij, 1996
  • 『日本建築学会近畿支部研究報告集. 計画系(37)』, 「雑誌『Wendingen』にみるアムステルダム派に関する研究」, 浦田寛史、足立裕司, 日本建築学会, 1997

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