2019年06月15日号
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アメリカン・ルネサンス

The American Renaissance

アメリカン・ルネサンスは、19世紀後半から20世紀初頭にかけてアメリカの公共建築で多く見られた建築様式である。1893年のシカゴ万博で披露されアメリカ各地に広まっていった。リチャード・モリス・ハントをはじめとして、フランスのエコール・デ・ボザールで学んだアメリカ人建築家たちが中心的な役割を果したことから「ボザール様式」とも呼ばれた。アメリカン・ルネサンスの特徴は、ヨーロッパ古典主義の復興様式に倣った荘厳で装飾的な建築である。特にマッキム・ミード&ホワイト社が手がけたボストン公共図書館やマンハッタン市庁舎、リード&ステムとワレン&ウェットモアの二つの設計事務所による共同設計であるニューヨークのグランド・セントラル駅などが代表的な建築物である。アメリカン・ルネサンスは形式美や統一感を重視したため、その思想は都市計画にも応用され、都市美運動につながっていった。さらに、この様式は公共建築だけでなく個人の邸宅にも採用されていった。ロードアイランド州ニューポートには、アメリカン・ルネサンス様式の別荘群(マンション)が今日でも多数保存されており、一部は一般公開されている。20世紀半ばには、アメリカの建築様式はフランク・ロイド・ライトの系譜を継ぐモダニズム様式が主流となり、古典的な様式は時代遅れと見なされるようになった。そのなかで、ブルックリン美術館が開催した展覧会「アメリカン・ルネサンス:1876-1917」(1979)はアメリカン・ルネサンスに歴史的な文脈を与え、再評価する契機となった。

著者: 荒木慎也

参考文献

  • The American Renaissance 1876-1917, Brooklyn Museum, Pantheon, 1979

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