2019年08月01日号
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アレゴリー

Allegory

しばしば「寓意(像)」と訳される。「別の仕方で言うこと(allegoria)」というそのギリシャ語の語源が示す通り、ある抽象的な概念を具体的な形象によって語る技法のことを意味する。古代の神話やキリスト教における聖書の寓意的解釈に代表されるように、西洋におけるアレゴリー(諷喩)の起源は古い。しかしアレゴリーは修辞的技法に限定されるものではなく、絵画・彫刻をはじめとする美術作品にも同じく見受けられる。例えば、「正義」や「知恵」といった抽象概念を人間の女性像として表象することが「アレゴリー」に相当する。「アレゴリー(寓意)」は「スキーム(図式)」および「シンボル(象徴)」と類似関係にある概念だが、19世紀初頭にシェリングは『芸術哲学』において上記の三者を次のように区別した。すなわち、ある表現において普遍が特殊を意味するならばそれは「図式」であり、反対に特殊が普遍を意味するならば「アレゴリー」、そして普遍と特殊が一致しているときそれは「象徴」と呼ばれる。また、20世紀にはベンヤミンのバロック演劇論やブレヒトの叙事詩演劇などを契機として、「アレゴリー」という問題系が新たな装いをまとって復興したことも強調しておいてよいだろう。

著者: 星野太

参考文献

  • 『アレゴリーとシンボル──図像の東西交渉史』(ヴァールブルクコレクション), , ルドルフ・ウィトカウアー(大野芳材+西野嘉章訳), 平凡社, 1991

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