2019年12月01日号
次回12月16日更新予定

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アーキグラム

Archigram

1961年にウォーレン・チョーク、ロン・ヘロン、デニス・クロンプトン、ピーター・クック、デヴィッド・グリーン、マイケル・ウェブの6人を基本メンバーとしてイギリスで結成され、70年代初頭まで活躍した前衛的建築家グループ。また、彼らは同時期に同名の雑誌を9号自主出版した。保守的なイギリスの建築的規範からの解放を望む姿勢は、しばしば同時代に活躍したバンドになぞらえ、「建築界のビートルズ」と譬えられる。61年5月、雑誌『アーキグラム』が創刊された。当時20代後半から30代前半の若者だった彼らは、誌面上で数々のSF的な建築プロジェクトを発表した。なかでも都市規模の巨大な建築が移動する《ウォーキング・シティ》(1964)や組み替え可能なユニットで構成された《プラグイン・シティ》(1964)に代表される斬新なアイディアとグラフィカルな表現は建築界に強烈なインパクトを与え、実作をつくらないままメディアを通して有名になった。その熱狂は国境やジャンルを越えて、さまざまに影響を与えている。カウンターカルチャーの時代にあって、彼らが目指したのは現実の直接的な改革ではなく、宇宙開発などの最新のテクノロジーに触発されながら、起こりうる未来像をアンビルトというかたちで現前化することであった。彼らは技術的な裏付けがない楽観的なユートピアを提案し、後期にはピーター・クックによるディスプレイを組み込んだメガネ《インフォ・ゴンクス》(1968)など、メディア・アートを予見するような作品も現われる。その後、メンバーはAAスクールやロンドン大学バートレット校、ウエストミンスター大学、クーパーユニオンなどで建築教育に携わる。物質としての建築ではなく、概念を拡張していく教育方針には、アーキグラムの遺伝子が継承されているといえよう。

著者: 江川拓未

参考文献

  • 『アーキグラム』, アーキグラム編(浜田邦裕訳), 鹿島出版会, 1999
  • 『アーキグラムの実験建築1961-1974』, 水戸芸術館, ピエ・ブックス, 2005
  • 『アンビルトの理論』, 浜田邦裕, INAX出版, 1995

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