2019年06月15日号
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アーキテクチャ

Architecture

アーキテクチャとは建築、建築学、様式、構造などを指す言葉である。また、それから派生して1970年代にはコンピュータ分野での設計思想として、さらに近年では環境設計や社会設計の意味として用いられるようになった。環境設計や社会設計としてのアーキテクチャについては、サイバー法学者のローレンス・レッシグが『CODE インターネットの合法・違法・プライバシー』において人を動かす4つの力として「法」「規範」「市場」「アーキテクチャ」を規定したことに端を発する。レッシグの「アーキテクチャ」については、社会学者ジョージ・リッツァ著作の『マクドナルド化する社会』で例示されたマクドナルドの環境管理が具体例として用いられることが多い。これは、マクドナルドが客の回転率を高めるために、硬い椅子(アーキテクチャ)を用意し客があたかも自発的に一定時間で席を立つように操作するといったことである。このようなレッシグの問題提議を受けて思想家の東浩紀は、人々を統合・訓練することによって秩序をコントロールしようとする「規律訓練型権力」の破綻と、「アーキテクチャ」=「環境管理型権力」の隆盛を対比させて論じた。このことも影響し、日本においてアーキテクチャは権力論という観点から批評的な言説の重要なキーワードとなり、ゼロ年代を通して多く語られた。

著者: 千種成顕

参考文献

  • 『CODE インターネットの合法・違法・プライバシー』, ローレンス・レッシグ(山形浩生、柏木亮二訳), 翔泳社, 2001
  • 『マクドナルド化する社会』, ジョージ・リッツァ(正岡寛司監訳), 早稲田大学出版部, 1999
  • 『自由を考える 9・11以降の現代思想』, 東浩紀、大澤真幸, 日本放送出版協会, 2003
  • 『思想地図』vol.3, 特集=アーキテクチャ, 東浩紀、北田暁大編, 日本放送出版協会, 2009
  • 『アーキテクチャの生態系 情報環境はいかに設計されてきたか』, 濱野智史, NTT出版, 2008

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