2019年08月01日号
次回9月2日更新予定

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イギリス・デザイン産業協会

Design and Industries Association(DIA)

ドイツ工作連盟に刺激を受け、1915年イギリスで「デザインと産業の結合」を目的に設立された団体。アーツ・アンド・クラフツ運動の遺産が大きかったイギリスでは、20世紀初頭を過ぎても、大陸の機械時代を積極的に肯定する方向性とは歩みを異にしていた。新しいアプローチを求めようとする、アーツ・アンド・クラフツ展覧会協会の若いデザイナーたちは、14年にケルンで開かれたドイツ工作連盟展を視察し、同連盟を手本に学ぶこととなる。DIAはロンドンのアート・ワーカーズ・ギルドの建物を拠点に発足、「目的への適合」をスローガンに掲げ、産業への接近を図る。創立会員は、ハロルド・ステイブラー、ハリー・ピーチ、アンブローズ・ヒールらのデザイナー。これに加え製造業者や小売業者など、産業や商業界から幅広く個人・団体が参加した。この多様な会員の交流は、一例として、フランク・ピックとロンドン交通局のデザイン・マネージメントに結実する。またDIAは、「グッド・デザイン」の日用品の展覧会、出版物・定期刊行物の発行等の啓蒙活動も行なう。しかし同時代の大陸における近代運動に比べると、イギリスのアプローチはいかにも穏健であった。創設初期に指導的役割を果たした、アーツ・アンド・クラフツ運動の第二世代に属する建築家ウィリアム・レサビーらが焦点化していたのは、機械による製品の質の追究というよりは、手工芸の高い品質をいかに製品に適用するかであった。とはいえ30年代にもなると、モダン・デザインをテーマにしたBBCの講演シリーズにもみられるように、モダニズムの兆しが現われ始める。DIAは、44年に政府が設置した「産業デザイン協議会(Council of Industrial Design)」の先駆的団体として重要な役割を果たした後も、今なお活動を続けている。

著者: 竹内有子

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