2019年06月15日号
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イコノグラフィー

Iconography

「画像(eikon)」を「記述する(graphein)」というギリシャ語をその語源とし、日本語ではしばしば「図像学」と訳される。古くは絵画作品に描かれた象徴体系(アトリビュート)を読み解くための学問を意味した。「アトリビュート」とは、ゼウスには鷲、アテナには梟(フクロウ)を添えるといった西洋絵画における作法のことであり、それを集成したものとしてはC・リーパの『イコノロギア』(1593)が最も重要である。時代が近代に近づくと、美術作品における主題、意味、内容を系統立てて理解するための学問として、イコノグラフィーは美術史の側からより広く要請されることになる。具体的には、ある作品に何が描かれているかを同定し、そこからさらに深い意味内容を見出していくといったタイプの研究方法がイコノグラフィーとして体系化される。20世紀半ばには美術史家のE・パノフスキーが『イコノロジー研究』(1939/62改訂版)において、従来のイコノグラフィーを「狭義のイコノグラフィー」と呼び、それに対する「深いイコノグラフィー」を「イコノロジー」と呼んで両者を区別した。

著者: 星野太

参考文献

  • 『イコノグラフィー入門』, ルーロフ・ファン・ストラーテン(鯨井秀伸訳), ブリュッケ, 2002
  • 『イコノロジー研究 ルネサンス美術における人文主義の諸テーマ』, E・パノフスキー(浅野徹ほか訳), ちくま学芸文庫, 2002

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