2019年09月15日号
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ウォーターフロント

Waterfront

市民が居住や労働・娯楽・交通などの都市活動の諸環境として利用できる、水際線に接する陸域周辺および水域を併せ持った地域。その場所において都市臨海域の高度利用や、再開発、地域振興開発が行なわれる。ウォーターフロントはあくまで場を指す言葉であるが、最近ではそこで行なわれる開発行為まで含むことがある。ウォーターフロント開発とは、老朽化した港湾施設や工場の跡地を利用して、生産や物流だけでなく、生活、ビジネス、情報発信を含めた多様な都市活動の場を整備していこうとするものである。日本において昭和30年代、川においては洪水対策、海では物流の基地として港湾の機能整備、臨海工業地帯の大規模開発など国民の総生産を引き上げるための対策が行なわれた。その行為は市民を川や海から追いやることになり、また環境悪化をもたらした。その反省から運輸省の「ポートルネッサンス計画」(1986)に代表される港湾地区の再開発計画が生まれ、また建設省の「MMZ構想」および「CCZ計画」では、静かな海域の新たな創生や海辺のふれあいゾーンの整備計画が発表されている。日本で港湾部が注目されはじめたのは、神戸ポートアイランド博覧会(1981)であり、首都圏ではその後、横浜市の横浜みなとみらい21、千葉市の幕張新都心などの再開発が行なわれた。バブル景気の崩壊前、一時期は「ウォーターフロント・ブーム」とも言われたが、バブル景気に乗って実際の需要以上に巨大化させた都市計画も多く、各自治体の債務増加と財政悪化の一因となり、都市計画の見通しの甘さが問題になっている。

著者: 打田小春(大阪市立大学倉方研究室)

参考文献

  • 『ウォーターフロントの計画ノート』, 横内憲久、ウォーターフロント計画研究会編著, 共立出版, 1994
  • 『ウォーターフロント開発と水環境創造』, 椹木亨, 技報堂出版, 1995
  • 『ウォーターフロント開発の理論と実践(都市政策論集)』, 神戸都市問題研究所, 1993

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