2019年05月15日号
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オプ・アート

Op Art

「オプティカル・アート」(Optical Art)の略称。錯視や視覚の原理を利用した絵画、彫刻の一様式。その作品は平面上の幾何学的模様と色彩の操作で遠近、明滅、振動などの錯視効果をもたらし、鑑賞者の参加と知覚を前提とする点を特徴とする。オプ・アートの源流はトロンプ・ルイユ(だまし絵)の伝統に遡り、近代色彩理論を応用した抽象的表現である点で後期印象派、また幾何学的抽象の表現可能性の追求という点で構成主義、未来派、バウハウスの系譜に連なる。J・アルバースは1940-50年代に《正方形へのオマージュ》シリーズで色彩と幾何学的要素の視覚実験を行なっていたが、用語の初出は64年の『タイム』誌上の匿名記事を待たねばならず、翌年MoMAで開催された「ザ・レスポンシヴ・アイ」展でポップ・アートと同時代性をもつ一潮流として認知された。代表的な作家としてアルバースの他にB・ライリー、J-R・ソト、J・ル・パルクらがあげられる。制作は時に高度な技術を必要とし、アシスタントによるスタジオ制作が行なわれることもあった。その装飾性により同時代の商業デザインのモチーフとして大量消費社会を象徴する60年代的流行と見られがちだが、F・ステラらが還元主義やミニマリズムに展開した点で美術史的意義は大きい。また70年代にV・ヴァザルリが示唆したように絵画的アルゴリズムと建築・都市環境の表象とする見方が可能だ。

著者: 松本晴子

参考文献

  • Art of the Electronic Age, , Frank Popper, Thames & Hudson, 1997
  • Optical Art: Theory and Practice, , Rene Parola, Dover Publications; New edition, 1996

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