2019年06月15日号
次回7月1日更新予定

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カラー・フィールド・ペインティング

Color Field Painting

色彩による「面」の領域が画面のなかで大きな割合を示す絵画のことを指す。この語は、クレメント・グリーンバーグがバーネット・ニューマンの絵画を色彩による「フィールド」と形容したことに始まるが、ニューマンやマーク・ロスコらの、絵画の色面を強調した抽象表現主義の作品が、50年代後半から60年代にかけて多くの後続する作家を生みだした結果定着した用語である。触覚的な物質感を強化するような強い筆致や激しいコントラストを避けた色面の使用により、抽象表現主義の一部の傾向に見られる身体性の表出とは隔絶されている。また、ひとつまたは複数の色面の使用によって絵画領域の全体性や形態性、平面性を強め、それを機械的かつ没個性的に処理するという点では、ポップアートやミニマリズムの一部の傾向との同調も示していた。そのため、「ハード・エッジ」と呼ばれるE・ケリーの作品やR・マンゴールドらのミニマリズムの絵画などもこの傾向に含むことがある。またこれらはフラットな色面が平面性を示唆する一方で、色彩の面それ自体が非物質化されたイリュージョニズムを助長するため、触覚性にたいする視覚性の優位という対立軸をも内在させていた。

著者: 沢山遼

参考文献

  • 『グリーンバーグ批評選集』, , クレメント・グリーンバーグ(藤枝晃雄編訳), 勁草書房, 2005

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