2019年06月15日号
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ガーリー・フォト(女の子写真)

Girlie Photo

1990年代後半に日本で起こった、一群の若い女性の写真家たちの流行現象。HIROMIX、長島有里枝、蜷川実花ら、当時10代後半から20代前半にかけての若い女性たちの撮った写真が、一躍注目を浴びることになる。彼女らの写真は多くの場合、家族、友人、自分自身といった身の丈の日常風景を写し取ったものである。また、安価でファッショナブルなコンパクトカメラで、必ずしも優れているとは言えない撮影技術で撮られた写真がほとんどであり、あたかもコミュニケーション・ツールのひとつとして写真が使用されているかのような点が、その当時、新鮮なものとして捉えられた。時代的には80年代のバブル期が終焉し、オウム真理教の一連の事件や阪神・淡路大震災などが象徴するように閉塞的な時代感覚のなか、「女子高生ブーム」や「渋谷系」のように、ユース・カルチャーが新たなる商品価値として消費される時代に対応している。写真界におけるこの流行は、写真作品そのものに対する評価というよりも、当時先端的だったカルチャー誌『スタジオ・ボイス』や、写真評論家の飯沢耕太郎、写真家のホンマタカシなどによる、メディア戦略として展開されたものであると言って過言ではない。2001年にHIROMIX、長島、蜷川が木村伊兵衛賞を同時受賞したことが、この流行のピークであったと言えるだろう。

著者: 土屋誠一

参考文献

  • 『シャッター&ラヴ Girls are dancin' on in Tokyo』, 飯沢耕太郎, INFASパブリケーションズ, 1996
  • 『「女の子写真」の時代』, 飯沢耕太郎編・著, NTT出版, 2010

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