2019年12月01日号
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コルセット

Corset(仏、英)

胸から腰を引き締めて体型を整える補正下着。コルセットは、フランス語の「身体(corps)」から生まれた派生語で、中世末期には、前中央を紐締めにして体に密着させる下着を指した。16世紀に、細いウエストを強調する鯨骨入りのコルセット「バスキーヌ」が、スペインからヨーロッパ諸国に広がり、17-18世紀に改良が重ねられ着用された。18世紀末に簡素なシュミーズ・ドレスが流行すると、コルセットは姿を消すが、19世紀に入るとすぐに復活した。また、19世紀初頭に鉄製金具が導入されると、それまでにない強い締め付けが可能となり、以後、新機能を備えた製品が次々に登場するようになる。19世紀半ば以降、パリではクリノリン・スタイルやバッスル・スタイルなど、スカートを膨らませた造形的なシルエットの流行が続き、コルセットは女性の装いに欠かせない必需品として愛用された。しかし、ウエストを細く締める流行が過熱するなか、女性の身体は不自然に歪曲され、数々の健康障害が報告されるようになる。これを受け、一部の医者や女性解放運動者のあいだで、コルセット批判が高まるが、着用は続けられ、1900年頃には極端に細いウエストを強調するS字型シルエットのドレスが大流行した。その後、06年にポール・ポワレがコルセットを取り払ったドレスを発表したことを契機に、モードは身体を解放する方向へと向かい、第一次大戦後に迎えた20年代には、コルセットに代わり、ガードルやブラジャーが着けられるようになった。

著者: 朝倉三枝

参考文献

  • The Corset: A Cultural History, Valerie Steele, Yale University Press, 2001
  • 『コルセットの文化史』, 古賀令子, 青弓社, 2004
  • 『図説 ヨーロッパ服飾史』, 徳井淑子, 河出書房新書, 2010

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