2019年06月15日号
次回7月1日更新予定

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サンフランシスコ・テープ・ミュージック・センター

The San Francisco Tape Music Center

R・センデルとM・サボトニックによって1962年にサンフランシスコで設立された現代音楽のための施設。中心メンバーはこの二人に加え、M・キャラハン、B・マギニス、A・マーティン、P・オリヴェロス。61年にサンフランシスコ音楽学校で始まったイヴェント・シリーズ「ソニックス」が活動の前身となった。ニューヨークと比べるとまだシーンが小さく、また当時カウンターカルチャーの大きな動きのなかにあったサンフランシスコは音楽、ダンス、映画、文学など各分野の交流が盛んだった。同様に、現代音楽のなかでも異なるスタイルの作家が共に活動していた。同センターに関わった音楽家もセンターの機材を利用して、実験音楽、即興演奏、電子音楽などスタイルにとらわれない制作に取り組んだ。そのなかにはミニマル・ミュージックの創始者として知られるT・ライリーとS・ライヒ、シンセサイザー開発者D・ブックラ、FM音源を考案したJ・チョウニング、さらにL・ハリソン、D・リーディー、S・デンプスター、J・テニー、J・ギブソン、F・ラーベらがいた。ライヒ《It’s Gonna Rain》(1965)やサボトニック《Mandolin》(1963)、オリヴェロス《Bye Bye Butterfly》(1965)などはセンターの機材で制作され、ライリー《In C》(1964)の初演もセンターのシーズン・コンサートだった。後にセンターは66年にミルズ・カレッジに移転して「ミルズ・テープ・ミュージック・センター」と改称され、さらに69年に「現代音楽センター」に変更されたが、このときにはすでにそれまでの中心メンバーは関わっていなかった。ヨーロッパ、アメリカ東海岸、アカデミズム、ケージ周辺を重視する傾向のある現代音楽史のなかで、同センターの活動は比較的光が当てられてこなかった。2008年になってインタヴューや論考をまとめたD・W・バーンスタインによる『サンフランシスコ・テープ・ミュージック・センター 1960年代のカウンターカルチャーとアヴァンギャルド』が出版され、ようやくその詳細が広く知られるようになった。

著者: 金子智太郎

参考文献

  • The San Francisco Tape Music Center: 1960s Counterculture and The Avant-Garde, David W. Bernstein, University of California Press, 2008

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