2019年08月01日号
次回9月2日更新予定

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シェイプト・キャンヴァス

Shaped Canvas

矩形(四角形)のキャンヴァスでなく、変形されたキャンヴァスのこと。一般的には1960年代にシェイプト・キャンヴァスを多用したフランク・ステラが創始者に特定される。ゴシックやルネサンス期に使用された楕円の支持体はもちろん、現代美術の歴史においても、ステラ以前に変形されたキャンヴァスを用いて制作された例を挙げることはできる。だが、ステラのシェイプト・キャンヴァスは、描かれた部分の形とその外形の形状とが反復し合うという点で、歴史的に先行する諸々の例とは大きく異なっていた。例えばM・フリードは、画面に描かれた形態と支持体の物理的な形体との緊張関係から、ステラのシェイプト・キャンヴァスが導き出されたと考えている。したがって、その起源は、キャンヴァスの矩形の内側で同じ矩形の模様が反復されている初期の「ブラック・ペインティング」にまで遡行することができる。その形状から窓に例えられることの多い絵画は、シェイプト・キャンヴァスにおいて、光学的/想像的な光景(イリュージョン)が投影される場であることをやめ、自らの模倣の原理を、描かれた「形態」と絵画自身の「形体」とのトートロジカルな関係に移行させた。

著者: 沢山遼

参考文献

  • Art and Objecthood: Essays and Reviews, “Shape as Form: Frank Stella's Irregular Polygons”, Michael Fried, University Of Chicago Press, 1998

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