2019年08月01日号
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システミック・ペインティング

Systemic Painting

1966年にニューヨークのグッゲンハイム美術館を会場に、ローレンス・アロウェイのキュレーションによって開催された展覧会の名称、およびその展覧会で紹介された絵画の動向。アロウェイは、B・ヘラーの企画した「新たな抽象に向かって」展(ジューイッシュ美術館、1963)やC・グリーンバーグによる「ポスト・ペインタリー・アブストラクション」展(ロサンジェルス・カウンティ美術館、1964)、E・C・グーセンの「8人の若手作家たち」展(ハドソン・リバー美術館、1964)などの成果を取り入れ、抽象表現主義を継承した反表現主義的傾向を持つ作家たちの台頭を、「システミック」な方法の顕在化という観点から析出しようとした。アロウェイが指摘する明るい色彩、平面性、明瞭さ、幾何学性、画面のシンメトリー、コンセプチュアルなアプローチなどの傾向は「ハード・エッジ」と呼ばれる動向とも関連しているが、同展と同じ年にはミニマリズムの台頭を決定づけた「プライマリー・ストラクチャーズ」展(ジューイッシュ美術館)が開催されていたことを考えれば、ミニマリズムとの同時代性も顕著である。また、アロウェイは自身のアイディアを非人称性や機械的性質との関連によってポップ・アートやI・サンドラーのいう「冷たい抽象」などとも結びつけている。いずれにせよ、抽象表現主義以降の諸動向から「抽象」概念を再検討し、整理しようとする動機が本展の骨子には備わっていた。

著者: 沢山遼

参考文献

  • Systemic Painting, Lawrence Alloway, Guggenheim Museum, 1966

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