2019年08月01日号
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ジェネリック・シティ

Generic City

ジェネリック・シティとは、建築家レム・コールハースが唱えたアイデンティティの希薄な、もしくは存在しない都市である。ジェネリック・シティは都市居住者の過剰な増大を背景に生まれてくる都市であり、今や新興国を中心に世界のどこでも見ることができる。コールハースは、人口の増加が過剰な都市状況において、非歴史、非中心、流動的な居住者、メンテナンス不要、計画不可能といった特徴を持ったジェネリック・シティが生まれてくるとしている。これらの特徴は、コールハースがジェネリック・シティの最も特徴的な単一要素として挙げる空港にその多くを見ることができる。空港は大勢の人の通過動線であり、都市のようにさまざまな施設で満ちている。また、全体の造形が高い自律性を持つ一方、固有のアイデンティティを備えた内部空間をほとんど持たない。こうした特徴を持ったジェネリック・シティは、従来の都市理論の見地から考えると非常にアイロニカルに見えるが、あくまでコールハースはジャーナリストの視点でジェネリック・シティを論じている。善悪を決めつけず、客観的なリサーチを踏まえて建築に応用していく態度は、モダニストに代表される従来の都市論を語る建築家たちの態度と異なったものであることは注目したい。

著者: 千種成顕

参考文献

  • S, M, L, XL, Rem Koolhaas and Bruce Mau, Monacelli, 1998

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