2019年08月01日号
次回9月2日更新予定

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タシスム

Tachisme

1940年代後半から50年代にかけてフランスを中心に隆盛したアンフォルメル絵画の一潮流。フランス語で「染み、汚れ」を意味する「タッシュ(tache)」に由来する。用語自体は20世紀初頭から印象主義やフォーヴィズムに対し使用されることがあったが、一般化するのは美術批評家P・グエガンやC・エスティエンヌらがアンフォルメルの一部の作家の技法として指摘する50年代前半を待たねばならない。絵の具をチューブからキャンヴァスに直接塗布するドリッピングや速い筆運びにより制作の行為性を強調し、絵画の触覚性を強調する画面が特徴。叙情的抽象として、幾何学的抽象との対立性が指摘された点ではJ・ポロックらによる抽象表現主義とパラレルな芸術表現であった。また、無意識の無媒介的な表出という点においては、オートマティスムの系譜にも連なる。第二次世界大戦後に現代美術の国際的中心地の座を明け渡した感のあるパリの美術市場がニューヨークに対抗する新機軸を求めて「アンフォルメル」や「タシスム」の名を掲げて作品の活発な取引を行ない、新エコール・ド・パリの時代のひとつの動向となった。代表的な作家としてG・マチューがいる。

著者: 松本晴子

参考文献

  • Au-delà du Tachisme, Georges Mathieu, R. Julliard, 1963

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