2019年06月15日号
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タスク

Task

主としてニューヨークのジャドソン・ダンス・シアターとそのメンバーたちによって推し進められたポスト・モダンダンスの代表的なアイディアのひとつ。発端は、1950年代の後にジャドソン・ダンス・シアターのメンバーとなる者たちが、西海岸で活動していたアンナ・ハルプリンのワークショップに参加したことにある。そこで彼らは、自然環境にある物をとってきてその物の状態や動きの特徴を各自の体を通してとらえるなどの課題を「即興的タスク」として実践した。その際の伝説的なエピソードに、トリシャ・ブラウンが箒でダンス・デッキと称された野外スペースを長時間掃き続けた後で、垂直に立てた柄を軸に体を床と水平にして宙に浮いたという出来事がある。イヴォンヌ・レイナーの考えに倣って言えば、基本的にタスクは歩く、走る、食べるといった日常の単純で基礎的な動作を「ファウンド・ムーヴメント」として取り出し、舞台上でそのまま遂行することを指す。つまり、日常の動作を行なうといっても、演劇的な様式のもとで模倣する慣習的な仕方とは異なり、その動作を行なう身体のエネルギーが日常で同じ動作を行なう際と同等のエネルギー量でなければならない。《パレードと諸変化》(1965)のなかで、パフォーマーが観客の前でゆっくりと衣服を脱ぐというタスクを創作したハルプリンは、ゲシュタルト療法との出会いを背景に、パフォーマーや観客がいまここに存在する自分と周囲の環境に気づくための機会としてタスクをとらえ直した。

著者: 木村覚

参考文献

  • Judson Dance Theater: Performative Traces, Ramsay Burt, Routledge, 2006
  • Handbook in Motion, Simone Forti, The Press of the Nova Scotia College of Art and Design, 1974
  • Happenings and Other Acts, Mariellen R. Sandford ed., Routledge, 1995
  • Work 1961-73, Yvonne Rainer, New York University Press, 1974

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