2019年10月15日号
次回11月1日更新予定

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テキスタイル

Textile

縦糸と横糸の組み合わせによって作られた織物、布地のこと。ファブリック。世界各国、あらゆる地域、民族、時代に、それぞれの伝統、文化、風土に応じたテキスタイルが存在する。とりわけファッションの世界では豊かなヴァリエーションが見られ、世界中でさまざまな衣装とともにテキスタイルが生み出されてきた。また、美術ではヨーロッパ、特にスペイン、イタリア、フランスにおいて盛んに制作されたタピストリー(タピスリー)などが、美術品としてのテキスタイルと呼べるだろう。例えばスペインにおいてタピストリーは、ベラスケスやゴヤなど王室お抱えの画家によって下絵が描かれ、王室所有の工房で金糸・銀糸などを用いた高価な「織物の絵画」のごとく制作された。このようなタイプのものは、厳密には美術と工芸の狭間に位置するといえよう。テキスタイルが美術史の文脈でしばしば登場するようになったのは、市民文化が花開く19世紀以降のことである。19世紀に入り、アーツ・アンド・クラフツ運動やアール・ヌーヴォーなど、いわゆる応用美術の分野における芸術性、装飾性が意識されるようになった。その中には建築物の外部・室内装飾や家具、ジュエリー、ポスターなどあらゆるものが含まれているが、テキスタイルもそのひとつである。高いデザイン性をもったテキスタイルが、カーテンや壁紙などの室内装飾などに用いられ、またヘルマン・オプリストの《ホイップラッシュ》(1895)のように美しい刺繍が施されたテキスタイルがデザインされている。

著者: 小野寛子

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