2019年09月15日号
次回10月1日更新予定

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デザインの原理

Principles of Design

具体的な「目的」に即した(1)〈構想・設計〉、その(2)〈実現・生産〉がもたらす「モノ・コト」(アウトプット)、これが(3)〈受容・消費〉されて、何らかの「効果」(プラスとマイナスの場合あり)と、次の「目的」が導かれる。以上の三つのフェイズを「デザインの原理(三原則)」と考えることができる。理想的には、(1)(2)(3)が無限連鎖し、三者の間のフィードバックはつねに双方向であることが求められる。デザイン(建築を含む)とは、こうした永続的なサイクルの総体を指す。(1)(2)(3)に携わる者は、個人とは限らず、特に(2)は多数(組織)、(3)は不特定多数となる。これに対して、美術における「作品」の場合、漠然としたものであれ、具体的なものであれ、(1)の原初的な(作家の)動機とそれを表現したいという思いが生まれた瞬間、成立し得る世界と考えてよいだろう。工芸においては、何よりも(2)にウェイトが置かれ、(制作者・集団の)過程・わざと、アウトプットのモノ性が圧倒的に重視される。また、デザインの原理が近代に根ざしているのに対して、美術や工芸の「根」は近世以前に求められることも、両者を隔てる決定的な相違点である。かつてのデザイン史は、美術・工芸の分化系としてデザインを捉えてきた。しかし、この考え方に引きずられる限り、有史以来の単なる「ものづくり」と、近代以降の「デザイン」を区別することはできない。

著者: 橋本優子

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