2019年11月15日号
次回12月2日更新予定

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デニショーン

Denishawn

モダン・ダンスのパイオニアであるルース・セント・デニスと夫のテッド・ショーンが主宰した、ダンスのカンパニー兼学校。学校は1915年にロサンジェルスで開校し、マーサ・グレアム、ドリス・ハンフリーなど、多くの主要なモダン・ダンスの振付家やダンサーが輩出された。また、学校ではダンスのみならずオペラ歌手フランソワ・デルサルトによって提唱された身体表現メソッドであるデルサルト・メソッドも教えられた。D・W・グリフィスの映画に出演した俳優たちや映画『パンドラの箱』(1929)で知られるルイーズ・ブルックスらが学んだことが知られている。こうした映画界との親交のなか、グリフィスの映画『イントレランス』(1916)では、デニショーンのダンサーたちが出演し、踊りを披露した。カンパニーは14年から31年まで活動し、アメリカ国内のみならずヨーロッパやアジアでのツアーを行ない、国際的な評価を得た。カンパニーの活動は、10年代には主にヴォードヴィルの舞台の一環として行なわれていたが、20年代はコンサート形式の公演が多くなった。アジア、アフリカ、あるいはスペインなどの諸地域・国々をイメージさせるエキゾチックなダンスが定番の演目で、霊妙な存在感を持つセント・デニスの踊りは定評があった。ショーンはネイティヴ・アメリカンをモチーフとするなど、アメリカらしさを強調するダンスを創作した。またセント・デニスはチュニックを羽織った裸足の状態で、抽象的で地域性をもたないダンスを音楽に合わせて踊る、ミュージック・ヴィジュアライゼーションと称するダンスも考案し、上演した。そのほか、神聖なものを可視化することが彼らの大きなテーマのひとつであり、観音像やシヴァ神像などのポーズをとる演目もつくられた。こうしたデニショーンの活動は、バレエとは一線を画する、新しいダンスを生み出そうとする20世紀前半の動向の基礎を形成した。

著者: 木村覚

参考文献

  • International Encyclopedia of Dance: A Project of Dance Perspectives, Selma Jeanne Cohen ed., Oxford University Press, 1998

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