2019年06月15日号
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トランスアヴァンギャルディア

Transavanguardia

1970年代末から80年代にかけてのイタリアで興った芸術運動。美術批評家アキレ・ボニート・オリヴァが主導的な役割を担った運動であり、代表的な作家としてはサンドロ・キア、フランチェスコ・クレメンテ、エンツォ・クッキの通称「3C」が挙げられる。旧西ドイツで興った新表現主義との同時代性が指摘されることが多く、コンセプチュアル・アート、ミニマル・アートに対する反動として、両者は同一の動向として括られることもしばしばである。例えばJ=F・リオタールは、80年代の著作において上記の二つをほとんど同様の傾向として一括りに批判した(『非人間的なもの』など)。実際、観念や抽象よりも感情や具象を重視するというその傾向に鑑みても、トランスアヴァンギャルディアを「イタリアにおける新表現主義」とする見方はおおよそ妥当なものである。かつてこの言葉は時に「横断前衛主義」と訳されたが、原語の意図を尊重するならば、ここでの「trans」は「横断」ではなく「超越」であり、正確には「アヴァンギャルドを超える」という意味である。さらに、仏語の「アヴァンギャルド」との連想からTransavanguardiaは「トランスアヴァンギャルディア」というカナ表記が定着しているが、伊語本来の発音に即すならば「トランスアヴァングァルディア」のほうが原音に忠実な表記となる。

著者: 星野太

参考文献

  • The Italian Trans-Avantgarde, Achille Bonito Oliva, Giancarlo Politi, 1980
  • Avanguardia, transavanguardia (Catalogue of Exhibition), Electa, 1982
  • Unpackaging Art of the 1980s, Alison Pearlman, University of Chicago Press, 2003
  • 『非人間的なもの 時間についての講話』, ジャン=フランソワ・リオタール(篠原資明ほか訳), 法政大学出版局, 2002

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