2019年10月15日号
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ドイツ工作連盟

Deutsche Werkbund[DWB](独)

機械生産を肯定し、製品の質的向上を目的として、1907年ドイツに設立された団体。ドイツ工作連盟は、イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動の成果を直接的に引き継いだが、重要な違いは、急速な経済発展が進むドイツにあって、前者が近代的な産業生産を視野に収めた点であった。イギリスの同運動をドイツに伝えたヘルマン・ムテジウスは、帰国後、工作連盟の創立会員の一人となる。同連盟のスローガンは、「芸術家、産業界の企業家、職人の協力を通して、産業製品を発達させること」であり、デザイナーのみに留まらない広範囲な分野から会員が参加した。14年にケルンで開催された工作連盟展には、量産家具・家庭用品、W・グロピウスの鋼鉄とガラス構造のモデル工場のほか、P・ベーレンス、B・タウトらの建築が展示され、注目を集めた。しかしその直前に行なわれた総会で起こった論争、「規格化」を推進するムテジウスと、「芸術家の個性・芸術性」を擁護するヴァン・ド・ヴェルドの対立は、工作連盟内部の理想と現実のみならず、以後のデザインの展開において重要な論点を示している。ドイツ工作連盟は諸外国に影響を与えたが、30年代にナチスの圧力によって解体、戦後に再興されて現在も存続している。

著者: 竹内有子

参考文献

  • 『現代デザイン理論のエッセンス』, 「ムテジウス―ドイツ工作連盟」, 阿部公正(勝見勝監修), ぺりかん社, 1966
  • 「[クッションから都市計画まで]ヘルマン・ムテジウスとドイツ工作連盟:ドイツ近代デザインの諸相 1900-1927」展カタログ, 京都国立近代美術館, 2002

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