2019年09月15日号
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ニューヨーク世界博覧会(フューチュラマ)

1939 New York World's Fair(Futurama)

1939年4月30日から10月31日まで、対外的には「明日の世界の建設と平和」をテーマに、そしてアメリカ国内に向けては、ジョージ・ワシントンの大統領就任150年を記念し、ニューヨークのフラッシング・メドウズ・パークで開催された国際博覧会。皮肉なことに、会期中の9月1日にはドイツ軍がポーランドへ侵攻し、世界情勢は、博覧会が謳う「世界平和」とは程遠い様相を呈した。パヴィリオンやディスプレイで目を引いたのは、世界の文物・産業・民族文化を披露する各国・地域の展示よりも、アメリカの大企業による派手な施設の数々であった。例えば、通信企業のアメリカ電話電信会社(AT&T)、重工業・軍需産業・航空宇宙産業を中心とする巨大総合メーカーのゼネラル・エレクトリック(GE)社、自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)社などが参加し、なかでもGM社のアトラクションである「フューチュラマ」(未来のパノラマ)は、当時のアメリカの大衆的な世界観や建築・デザインが目指すところを如実に反映した近未来社会のジオラマによって人気を博した。モータリゼーションが徹底され、摩天楼のあいだを「オートメイテッド・ハイウェイ」(電波で車間距離を自動調整する高速道路)が行き交う20年後(1960)のアメリカ都市を、周遊する乗り物に乗って観覧できる「フューチュラマ」は、インダストリアル・デザイン界の寵児、ノーマン・ベル・ゲディースによってプロデュースされた。

著者: 橋本優子

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