2019年10月15日号
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ネオ・プリミティヴィズム

Neo-primitivism

「ルボーク」と呼ばれる手彩色の木版画やイコン画(聖像画)、子どもたちの表現などのロシア独自の民衆的な表現に触発された20世紀初頭のロシア絵画の動向。西欧アヴァンギャルドの動向を強く意識していたロシア芸術の状況下にあって、鮮やかな彩色表現、単純化された形態、即物的な形象などの諸特徴を持つロシア固有の土着的な表現が導入された点において、直後に起こるロシア・アヴァンギャルドの黎明とも深い関わりを持つ。この動向を代表するN・ゴンチャローワ、M・ラリオーノフ、ブルリューク兄弟らがプリミティヴな様式の肖像画や静物画を勢力的に手がけたのは、1907、08年から12年にかけてのことである。この時期を通じた「青い薔薇」グループの結成や作家主導の複数の展覧会の開催が、やがてK・マレーヴィチ、W・タトリン、M・シャガールらの活動と合流した。さらに13年には、A・シェフチェンコが『ネオ・プリミティヴィズム:その理論、可能性、達成』を著し、この概念が表立って提唱されることになる。またこの運動に刺激された詩人のV・マヤコフスキーは、言語の常識的な使用を離れた詩の実験や農民的な主題の導入などへと自身の活動を展開した。

著者: 沢山遼

参考文献

  • Russian art of the avant-garde: theory and criticism,1902-1934 (The Documents of 20th-century art), , edited and translated by John E. Bowlt, Viking Press, 1976

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