2019年06月15日号
次回7月1日更新予定

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ネット・アート

Net Art

インターネットならではの表現を追い求める活動。1990年代中頃からヨーロッパを中心に始まり、ウェブサイトの構造自体を組み替えたり、時には利用しているコンピュータそのものを停止させるなど、誰でも介入できるマスメディアとしてのインターネットの可能性に注目した、デザイナー、アーティスト、ハッカー、ミュージシャンらの手によってこれまでに数多くの作品が生み出されている。初期の代表的な作品には「ノー・コンテンツ」「ノー・ストーリー」を標榜するjodi.orgによる判読不能なウェブサイト、アレクセイ・シュルギンによるウェブサイトを記述するHTML言語のフォームだけで構成されたプロジェクト「Form Art」、exonemoによるHTMLに任意の文字を挿入することで既存のウェブサイトを脱構築していく「DISCODER」など、当時言語ベースであったインターネットの構造そのものに目を向けたものが多い。2000年代に入ると、インターネットの一般化に伴い、自分たちのコンピュータ上の活動を日常のやりとりを含めすべてリアルタイムで公開する「Life Sharing intro」(0100101110101101.org)、広告サービスから得た利益をもとにその企業の株を買い占める「GWEI―Google Will Eat Itself」(UBERMORGEN.COM feat. アレッサンドロ・ルドヴィーコ vs. パオロ・キリオ)、作品のネットワーク上の場所を示すURLそのものを販売する一連のプロジェクト(ラファエル・ローゼンタール)など、社会とインターネットとの接点で何が起こりうるかを示す作品が増えてきた。10年代に入りインターネットが日々の生活に組み込まれた現在では、作家だけでなく、批評家、学芸員、編集者らを集め、インターネットのリアリティを論じる会議が行なわれるなど、ネットの将来や本質を議論する下地が生まれつつある。

著者: 城一裕

参考文献

  • Net condition: Art and Global Media, Peter Weibel, Timothy Druckrey eds., MIT Press, 2001
  • 『アート・ミーツ・メディア 知覚の冒険』, NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)編, NTT出版, 2005
  • 『コネクティング・ワールド 創造的コミュニケーションに向けて』, 四方幸子ほか編, NTT出版, 2006

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