2019年06月01日号
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ハイテク・アート

High-tech Art

1980年代頃に使われた、当時の先端の技術を利用したアート作品を指す言葉。戦前から70年代までの間にも、機械や当時の技術を用いてさまざまな作品がつくられてきたが、そういったものをハイテク・アートと呼ぶことはない。アート界では、61年にアムステルダムとストックホルムで開かれた「芸術における動き」展で、機械仕掛けで動く作品いわゆるキネティック・アートが広く紹介された。また60年代後半には、エレクトロニクス(電子工学)を使った作品を集めた展覧会が、ニューヨークやロンドンで開催された。やがて80年代に入ると、一般に普及しはじめたパーソナル・コンピュータを使ったコンピュータ・グラフィックス(CG)、ヴィデオ・アートやヴィデオ・インスタレーション、ホログラフィやレーザーなどを用いた視覚に訴える作品など、新しいテクノロジーによる作品が多く生まれるようになった。こうした作品は「ハイテク」な「アート」作品として、85年に開かれたつくば科学万博のようなイヴェントや展覧会によって、人々に紹介された。こうした技術を取りこんだアート作品は、やがて作品と観客が双方向に楽しめるインタラクティヴ・アートや、ヴィデオやコンピュータを組み合わせたメディア・アートといったものへ発展するが、その時代時代によって最先端の技術が変化していくため、定義は曖昧であり、ハイテク・アートという言葉自体を現在はあまり使うことはない。

著者: 藤田千彩

参考文献

  • 『現代デザイン 「デザインの世紀」をよむ』, 海野弘, 新曜社, 1997
  • 「ハイテクノロジー・アート国際」展カタログ, フジテレビジョンハイテクノロジー・アート国際展'85運営委員会, 1985
  • 『美術手帖』1986年10月号, 特集=ハイテック・アートの現在形, 美術出版社

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