2019年06月01日号
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バイアスカット

Bias Cut

1920年代に確立されていった、洋裁での生地の使い方のひとつ。生地の縦と横の地の目に対して斜め方向を利用したカッティングのこと。普通は45度の正バイアスを指すことが多い。伸縮性が生まれると同時に動きが出せるので、よりフィット感を求める時、あるいは、きれいなドレープを形作ることができる。使い方によってはダーツを減らすことができる。もともと、この言葉は中世から存在した。靴下をフィットさせるために工夫されたもので、「byesse」とも綴られた。20年代に、バイアスカットの手法を考案したマドレーヌ・ヴィオネの服作りは、25年に雑誌『VOGUE』で「アナトミカル(解剖学的)・カット」と評された。とりわけ夜会用のドレスの分野において、バイアスカット特有のフィット感が顕著に表われており、生地の使い方には無駄がなく、最小限の接ぎ線で合理的に美しいシルエットやデザインが形成されている。30年代に流行したロング&リーンスタイル(長く細いシルエット)のドレスには、ボディコンシャスな身頃部分と、流れるようなシルエットのスカート部分の表現にこの手法がよく用いられている。

著者: 奥本尚子

参考文献

  • 『プロのためのカッティングシステム』, 安東武男, モード・エ・モード社, 1971
  • 『20世紀ファッション(文化ファッション大系 服飾関連専門講座10)』, 文化服装学院編, 文化出版局, 2005
  • 『フェアチャイルドファッション辞典』(新版), C・M・キャラシベッタ(石井慶一訳), 鎌倉書房, 1992
  • Dictionnaire de la mode au XXe siècle, Bruno Remaury, Les Editions du Regard, 1994

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