2019年06月15日号
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パンパン

Pan-pan Girl(和)

米軍による占領統治下にあった敗戦後の日本において、米兵を主な相手として売春を行なった街娼を意味する言葉。語源には諸説あり、定かではない。1945年8月、敗戦処理内閣は「一般女性」を米兵の性暴力から守るための国策売春施設としてRAA(特殊慰安施設協会)の設置を決定し、ただちにこれを実現したが、GHQ内の公娼制度に対する反発の声によって、翌46年3月にはすべてのRAAが閉鎖され、行き場をなくした女性たちは「パンパン」となることを余儀なくされた。同時代において、濃い化粧と「アメリカン・スタイル」の洋装は「パンパン」の記号であり、彼女たちに対する蔑視から、こうした装いを批判する言説が大量に生み出された。彼女たちの装いは、しばしば「パンパン・スタイル」「ストリート・ガール」などと呼ばれ、戦後のストリート・ファッションのはしりとして位置づけられることもあるが、「パンパン」となった女性たちが経験しなければならなかった過酷な現実を無視してそれを語ることはできない。

著者: 安城寿子

参考文献

  • 『僕らはごめんだ 東西ドイツの青年からの手紙』, 篠原正瑛編, 光文社, 1952
  • 『ストリートファッション1945-1995 若者スタイルの50年史』, アクロス編集室編, パルコ出版, 1995
  • 『昭和色街美人帖 私の〈赤線時代〉』, 広岡敬一, 自由国民社, 2001
  • 『占領と性 政策・実態・表象』, 恵泉女学園大学平和文化研究所編, インパクト出版会, 2007

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