2019年08月01日号
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ファーレ立川

Faret Tachikawa Art Project

東京都立川市のJR中央線立川駅北口にある、5.9ヘクタールの米軍基地跡地に展開された第一種市街地再開発事業。「ファーレ(FARET)」とはイタリア語の「FARE(創る・創造する・生み出すの意)」に立川の頭文字「T」をつけた造語。オフィスビルなど11棟の建物を中心とした空間にパブリック・アート事業を展開し、都市計画にアートを導入した先駆的事例として知られている。立川市の掲げる「文化とやさしさ」のあるまちづくりのため、約3,000億円の複合開発において約10億円が作品の制作・設置にあてられた。1982年に立川市が「立川都市基盤整備基本計画」を策定し、計画を住宅・都市整備公団(現:都市再生機構)に委託、12年の歳月を経て、94年10月に完成した。このアート計画は三つのコンセプトによって構成されている。ひとつ目は「世界を映す街」で、世界36カ国92人のアーティストによる109点の作品が設置された。二つ目のコンセプト「機能を物語に!(ファンクションをフィクションに!)」では、街灯や散水栓などの設備やデッドスペースをアート化した。三つ目のコンセプト「驚きと発見の街」では、触れたり、使ったりすることのできる作品を設置することで、より身近にアートと触れ合える空間を目指した。これらのコンセプトは、同一作家による作品の均質化やアートのモニュメント化、あるいは建築に従属させることによるアートのデザイン化といった従来のパブリック・アートに対する反省として生まれたものである。94年度の都市計画設計賞を受賞するなど都市計画の新たな形としても大きく注目されている。この後、95年の「新宿アイランド」、96年の「東京国際展示場アートプロジェクト(東京ビッグサイト)」、97年の横浜市「ゆめおおおかアートプロジェクト」など、都市計画にアートを導入する動きが盛んに見られたが、現在は沈静化している。

著者: 高橋麻衣

参考文献

  • 『ファーレ立川アートプロジェクト 都市・パブリックアートの新世紀』, 木村光浩、北川フラム監修, 現代企画室, 1995

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