2019年06月15日号
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フィギュラシオン・リーブル

Figuration Libre(仏)

1980年代にアメリカやヨーロッパで同時多発的に生まれた具象絵画運動のうち、フランスにおいてエルヴェ・ペルドリオルを主唱者として興ったムーヴメント。主要メンバーはロバート・コンバス、エルヴェ・ディ・ローザ、レミ・ブランシャー、フランソワ・ボワスロンら。彼らは81年に批評家ベルナール・ラマルシュ=ヴァデルのロフトで行なわれた「Finir en beauté」展で知り合う。翌年にはニューヨークで展示をし、キース・ヘリングやケニー・シャーフなどアメリカのバッド・ペインティングに代表されるアーティストと交流を深める。84年にはパリ市近代美術館で「5/5 Figuration Libre, France-USA」展を開催、ジャン=ミシェル・バスキアやヘリングらを招聘している。イタリアのトランス・アヴァンギャルディアやドイツのネオ・エクスプレッショニズムに比べ、フィギュラシオン・リーブルはより大衆芸術にインスパイアされていると指摘される。バンド・デシネやSF、子どものデッサン、ロック・ミュージック、映画、写真、雑誌、郊外の若者文化などに影響を受けた、激しい、または単純なグラフィックとはっきりとした色彩が特徴的である。パリのメトロの駅構内に巨大な絵画を直接描いたり、クラブの壁をマンガのようなコマ割りや激しい筆致のキャラクターで埋め尽くしたりと、グラフィティの要素も強い。モンスターやロボット、アフリカの想像上の木やサーカス、広告、工業製品などをモチーフにしたものなど、ハイカルチャーとサブカルチャー、西洋文化と非西洋文化を自由に横断し、価値のヒエラルキーから逸脱している。フィギュラシオン・リーブル全盛の84年には、ポンピドゥー・センター近くにディ・ローザがブティックをオープンし、彼らの作品のキャラクターを商品化したフィギュアやグッズを販売するなど、アートがユースカルチャーの一部として流行した。

著者: 栗栖智美

参考文献

  • Figuration Libre -Une initiation à la Culture Mass-Média, , Hervé Perdriolle, Edition Axe Sud, 1984

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